日本の陸上自衛隊が、日露戦争以来、
100年以上の“伝統”を誇る「突撃」訓練を繰り返している一方で、
現代の戦争はどのような様相を呈しているのか。2014年のロシアによるウクライナ侵攻に、
その実例を見ることができる。「当時、ロシアは電子戦によってウクライナのレーダーを
使用不能にするとともに、サイバー攻撃(ハッキング)で発電所、
メディアの機器を乗っ取りました。
GPSが使えなくなった偵察用のドローンは自己位置を
評定できなくなり、地上に降下したまま動かせない状態に
されてしまいました。さらに敵の砲弾の電子信管を作動できなくしました。
また、携帯電話を一時的に使用不能にして、その機能が回復した時には、
数多くのフェイク情報をメール等で大量に流したのです。
このためウクライナの住民は混乱へと陥りました。
錯綜した情報を与えられた市民によるデモ隊が
インフラ設備に押し寄せ、占拠することによって、
電源が落ちてしまう事態も発生。
停電状態の中、頼りとなるラジオ局もデモ隊に
占拠された状態となり、ラジオからフェイク情報が流し続けられました。…後に、インフラ設備を占拠したデモ隊は、
実はロシア軍であることが判明しています。
こうした戦い方で、ロシアはクリミア占領という
戦争目的を達成したのです」(二見龍氏)これが“ハイブリッド戦争”と言われる戦争形態の一例だ。
「サイバー攻撃により国家機能をマヒさせ、
その間に特殊部隊などによって、政治経済の中枢部、
都市部でのインフラなどの重要施設を迅速に占領してしまう」(同氏)
ーそれがハイブリッド戦争。
わが国は、こうした戦争に対処できるのか。
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